
ひじの黒ずみを気にし出すのが夏の時期。半袖やノースリーブを着た時に、つるつるの肘の状態でありたいと、角質除去に必死になっているなら一度ストップして下さい。なぜなら黒ずみの原因は角質だけでなく色素沈着の可能性も考えられるからです。また、全身の中でも肘ならではの皮膚の構造に特徴があることから、適切なケアを行わなければ悪化を招くことになりかねません。皮膚が分厚い、くすみが目立つという悩みを抱えている方たちのために、まず何から始めたらいいのかをこちらでご紹介します。ぜひ参考にしてすべすべ肘を目指して下さいね。
もくじ
角質と美肌の関係
そもそも角質ってどんなもの?
私たち人間の肌は表皮、真皮、皮下組織の3つの層で構成され、そのうち最も外側の表皮は、角質層、顆粒層、有棘層、基底層という4層構造をしています。
中でも角質層は肌の最も外側の表皮を覆う、厚さ約0.02㎜程度の大変薄い膜のような組織で、角質細胞と角質細胞間脂質で構成されています。角質細胞は最も古くなった皮膚の細胞で核を持たない、いわば死んだ細胞です。表皮の最も奥にある基底層で新しく作られる肌細胞は徐々に上へ上へと移動し、最終的に角質層に到達して角質細胞となり剥がれ落ちていくのです。
角質の役割とは
古くなって剥がれ落ちるだけのように見える角質層。そんな角質層にはいったいどのような役割があるのでしょうか?
角質層の役割は、肌の保湿と外部刺激からの防御です。角質細胞には、NMF(天然保湿因子)と呼ばれる物質が存在しています。また、角質細胞とともに角質層を構成する角質細胞間脂質は、細胞のすきまを埋めるように存在し肌の内部から水分の蒸発を防いでくれます。
角質層は肌の水分量を一定に保ち、潤いのある健康な肌の状態を保つことができるのです。健康な肌状態は皮膚のバリア機能を高め、ほこりや雑菌などの外部刺激が肌の内部に侵入するのを防いでくれます。
角質は全身に存在
角質層は皮膚の保湿とバリア機能を担う重要な組織なので、全身の皮膚に存在しています。角質層の厚みは顔や体では約5~10層で約0.01~0.03㎜ですが、体の部分によってかなり違っており、一般的に外からの刺激を受けやすい部分は分厚くなるようにできています。
分厚い部位
もっとも角質層の厚い部分は、足の裏です。その厚みは約50~70層もあるとされています。毎日全身の体重がかかって地面を踏みしめているのですから当然ですね。足の裏に次いで分厚い部分は、いろいろなものを触ることの多い手のひらで厚みは約40層です。
薄い部位
身体の中で最も角質層の薄い部分は、顔の皮膚です。角質層の厚みは8~10層で平均すると0.02㎜とされています。顔の中でも特に薄い部分は目の周りの皮膚で角質層は約5層、0.01㎜と顔の他の部分の半分しかありません。目の周りの皮膚は特にデリケートといえるでしょう。
ターンオーバーの重要性
美しい肌の鍵を握るターンオーバー
肌のターンオーバーの周期は平均するとだいたい4~6週間とされていますが、個人差もあり、体の部位や年齢によっても大きく変わってきます。
たとえば、顔の頬部分で約9~12日に対して、前腕部分では約18~22日とされています。一般的に血行の良い部分はターンオーバーが早く、手や足の先などの末梢部分ではより遅くなると考えられます。
また、新陳代謝の活発な若い人ほど肌のターンオーバーも活発ですが、30代~40代以降の年齢では、ターンオーバーに45日ほどかかることもあるようです。加齢とともにシミやそばかすが増えたり傷跡が治りにくくなるのも、ターンオーバーの低下が原因なのです。
ひじの黒ずみは角質とは限らない!?
それでは、ひじの黒ずみはやはり肌のターンオーバーが遅くなって古い角質が溜まっているからでしょうか?実はそれだけが原因ではありません。ここからは、見落としがちなひじの黒ずみの原因を詳しく見ていきましょう。
ひじの皮膚の特徴
ひじって自分からはよく見えないパーツなので、普段どんな状態なのか意識を向けることはほとんどありませんよね。実は私たちのひじは、思っているより外部からの圧力や刺激をたくさん受けています。
もともとひじや膝は皮脂腺が少なく汗や皮脂が分泌しないので、とても乾燥しやすい部分です。また、常に曲げ伸ばしをして皮膚を動かしています。それに加えて衣服による摩擦や、頬杖をついたり時にはひじをついて食事をしたりもします。パソコンを使うデスクワークでは特に長時間ひじを机に当てた状態です。私たちは、日常のあらゆる場面でひじに刺激を与えているのです。
ひじの角質が厚くなる理由
このようにひじは常に圧力や刺激を受けている状態です。そうすると、ひじの皮膚は自身を守るためにどんどん角質を分厚くしていきます。これが何年も蓄積されることでひじの角質がどんどん硬く分厚くなるのです。
角質の取り過ぎは肌トラブルのもと!
分厚く硬くなったひじの角質はピーリングやスクラブ石鹸などでスッキリ取り除いてしまいたくなりますが、ちょっと待って!角質の取り過ぎは肌トラブルにもつながってしまいます。
先にも説明したように、角質は肌の最も外側で水分の保持や刺激から肌を守る役割を担っています。角質ケアをやり過ぎて必要な角質まで取り除いてしまうと、肌が乾燥しやすくなりバリア機能が低下してしまうのです。肌のターンオーバー周期は約4~6週間とされていますので、角質ケアも月に1回程度で十分です。
ひじが黒ずむ4つの原因とは?
摩擦・圧迫
ひじの皮膚は常に外からの刺激にさらされています。衣服による摩擦や繊維による皮膚への刺激、長時間のデスクワークや頬杖をつく動作などによっても大きな圧力がかかっています。これらの直接的な刺激が繰り返されると、ひじの皮膚はより硬く分厚くなり黒ずみの原因となるのです。
メラニンによる色素沈着
メラニンとは、表皮の奥の基底層で紫外線などを浴びることで生成される成分です。シミの原因になるとして嫌われる存在ですが、実は紫外線によるDNAの損傷を防いで皮膚がんなどを予防してくれる、なくてはならない成分です。
通常は肌のターンオーバーによって徐々に表面に押し上げられ、角質層に到達した後自然に排出されますが、紫外線や摩擦など皮膚への刺激が繰り返し加わると、過剰に生成されて排出が追いつかなくなりシミとして残ってしまうのです。また、加齢によるターンオーバー周期の遅れもメラニン色素の沈着の原因です。
ケアの怠り
普段自分からはよく見えないひじは、ついついケアを怠ってしまいがち。常に刺激にさらされているひじの皮膚はただでさえ乾燥しやすくダメージを受けやすい状態です。こまめにケアをおこなわないと黒ずみはどんどん悪化していきます。
自分からはよく見えなくても、他人からは見られやすい部分であることを意識しましょう。
ガサツな行動
先にも説明したように、ひじをつく、頬杖をつくなどの動作はひじの皮膚に大きな圧力をかけます。また、不注意で壁や机などにひじをぶつけることもあるでしょう。これらの刺激がひじの黒ずみの原因につながってしまいます。
黒ずみをつくらない3つの秘訣
こすらない
古い角質を落とそうとナイロンタオルでごしごしこすったり、ピーリングやスクラブ石鹸などで洗いすぎていませんか?洗いすぎやこすり過ぎは古い角質だけでなく必要な角質までも落としてしまいます。お風呂で洗う際には、よく泡立てた石鹸でくるくると円を描くように優しく手洗いしましょう。
ひじをつかない
ひじを机について食事をしたり、頬杖をつくなどの動作はひじの皮膚への大きな負担になってしまいます。女性としてもあまり上品なしぐさではありませんよね。これらの癖を意識して直していくだけでもひじへの刺激がぐっと減少するでしょう。
行動に気を付ける
先ほど説明したひじをつく動作にも関係しますが、普段の何気ない行動にもちょっと気を配ることが大切です。たとえば、慌てて立ち上がろうとして机やいすにひじをぶつけたり、狭い部屋で着替える時に壁にひじをぶつけてしまうこともあるでしょう。
これらの不注意を少なくしていくこともひじの皮膚を守ることにつながるのです。
できてしまった黒ずみの解消法
それではここからは、できてしまったひじの黒ずみをケアする方法をご紹介します。
ホームケア
ひじの黒ずみには、お家でのこまめなお手入れが大変重要です。とはいえ、先にも説明したように洗いすぎやこすり過ぎは禁物!以下にホームケアの手順をご紹介します。
- まずは硬い角質を柔らかくするために湯船にゆっくりと浸かりましょう。
- その後、ピーリングジェルやスクラブ入りの石鹸を手で泡立て、優しく丁寧にマッサージをします。くれぐれもナイロンタオルは使わないでください。
- よく洗い流したらタオルで優しくふき取り、なるべく早めに保湿をしましょう。古い角質を取り除いた皮膚はとても乾燥しやすくなっています。ボディローションやボディクリームで水分と油分を補給します。
- 古い角質を取り除くケアは月に1回程度、保湿ケアはできれば毎日行うとよいでしょう。
美容皮膚科
あまりにも黒ずみがひどい場合やホームケアでは改善がみられない時には、思い切って美容皮膚科を受診してもよいでしょう。
メラニンの生成を抑える内服薬や、ハイドロキノンと呼ばれるメラニンを生成する細胞を減らす塗り薬の処方も可能です。またレーザー照射でメラニン色素を分解する治療法もあります。専門のドクターがおこなうので安心ですし高い効果も期待できるでしょう。
不要な角質を取る場合の注意点
赤みが出たら炎症の可能性大!
角質ケアでついつい力を入れ過ぎたり頻度を多くしてしまうと、必要な角質までも取り除いてしまい、肌のバリア機能が低下してしまう恐れがあります。角質ケアの後にもし赤みが出てしまったら、皮膚がダメージを受けて炎症を起こしている可能性がありますのですぐにケアを中止しましょう。
放っておかずに専門医に相談を
皮膚の炎症をそのままにしておくと、炎症を起こした部分に雑菌が侵入する可能性があります。また、自己判断でケアを続けるとますます悪化してしまうことも。角質ケアで炎症を起こしてしまったらなるべく早く専門医に相談しましょう。
汚れ落としと黒ずみ対策
美白成分配合の石鹸
普段のバスタイムに使う石鹸には汚れを落とすと同時に、ひじの黒ずみもケアできる成分が含まれているものを使うとよいでしょう。
トラネキサム酸やビタミンC誘導体をはじめ、リノール酸、アルブチン、コウジ酸などのシミを防ぐ効果のある美白成分が配合されたものならより効果的です。
しっかり保湿
バスタイムでひじの黒ずみをケアした後には、保湿をしっかりとおこないます。ボディローションで水分を補い、ボディクリームやボディミルクで潤いを閉じ込めましょう。皮脂腺が少なく乾燥しやすい部分なので毎日こまめな保湿ケアを習慣にしましょう。
まとめ
ひじの黒ずみの原因とケアの方法についてまとめましたが、いかがでしたか?
ひじの角質ケアは優しく、丁寧に。そして保湿をしっかりとおこなうことが重要でしたね。毎日コツコツと続けることで美しいツルツルなひじを目指しましょう。
この記事は、ライターが収集した情報に基づいて作成されています。効果には個人差がございますので、ご自身の責任でご利用・ご参考ください。
BEMORE編集部美容家
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