
肌のエイジングケアで比較的関心が低い傾向にあるくすみ。
その背景に、くすみの原因は汚れだから、スキンケアでなんとかなると思っている人が多いようです。
では本当にそれだけが原因でしょうか?
くすんだ肌とは、血色が悪く、ツヤが感じられず、疲れた印象につながるということを再確認して下さい。
そのような濁りを感じる肌に、高級なファンデーションを塗っても、冴え渡るような肌は期待出来ないことは想像がつくはずです。
くすみに本気で立ち向かうなら、肌の表面から奥まで、そして私たちの生活を取り囲む肌環境から改善していく、それが真の透明肌のカギとなります。
では早速、自分の肌に必要なくすみケアを見つけて下さいね。
もくじ
疲れ顔の原因は「くすみ」だった!
メイクをしてもどんよりした顔になる、夕方になると顔色が冴えなくなる、疲れていないのに「疲れた?」と聞かれる・・・これは年齢による肌の「くすみ」が原因なのです。
くすみとは
肌の「くすみ」とは、肌の色が均一ではなく透明感が無い状態のことをいいます。
肌がくすむと肌色のトーンが暗いだけでなく化粧ノリが悪くなったりごわごわしたり、肌荒れを引き起こしてしまうこともあります。
また、たとえしみ・しわの無い肌でも、くすんだ肌とそうでないクリアな肌では見た目年齢に大きく差が出ます。
くすみがあると老けて見えたり疲れて見えるので、冴えない印象を与えてしまうのです。
汚れくすみ
肌はターンオーバーを繰り返し、生まれ変わります。
しかし、ターンオーバーの乱れにより剥がれ落ちるはずの古い角質が肌表面に残ってしまった汚れから、肌がくすんで見えてしまうことがあります。
また、不十分なクレンジングや洗顔により毛穴に汚れが残り、部分的にくすみが生じることがあります。
皮脂くすみ
肌にとって油分と水分のバランスは重要です。
このバランスが崩れてしまい皮脂腺から皮脂が過剰に分泌されると酸化して過酸化脂質へと変化していきます。
この酸化した皮脂が黒ずみ、肌がくすんでしまいます。
メラニンくすみ
肌が紫外線を浴びるとメラノサイトが刺激を受け、肌にとって大敵である活性酸素が発生します。
活性酸素はメラニンを必要以上に生み出し、肌を酸化させてしまうため肌全体がくすみます。
乾燥くすみ
肌が乾燥してしまいキメが乱れると、肌表面に凹凸ができてしまいます。
その不揃いなムラが影になって、肌が暗く見えてしまいます。
肌の表面がくすんでいる
肌トーンが均一ではないキメの乱れや、蓄積した角質などが原因で起こる肌のくすみはお肌の外側で起きています。
キメの乱れ
水分不足や潤いが無いことで毛穴が開いてしまった状態の肌は、透明感が無くキメが乱れています。
「キメが整う」ということは肌のくすみ解消にどのように関係しているのでしょうか。
●キメの役割
肌の表面上にある皮丘と皮溝が重なり合い連なっているキメは、外的刺激が皮膚内に入り込むのを防ぎ、水分を保持する役割をしています。
●水分の補給・保持・保湿の重要性
紫外線などの外的刺激から肌を守り、キメが整った肌にするには肌のバリア機能を高めることが重要です。
そのためには肌を乾燥させてはなりません。
角質層内の水分を保ち、保湿成分を不足させないように潤いを保持することが、守れる肌作りに最も大切なのです。
●見た目の美しさ
キメの状態は肌の健康や美しさの度合いを示すバロメーターでもあります。
キメが乱れると肌の新陳代謝を低下させ肌色にムラができてしまいます。
一方でキメが整っていると、肌が元気な状態で弾力があり、潤っているので見た目にも明るく、美しい印象を与えてくれるのです。
モイスチャーバランスを整える
モイスチャーバランスとは、角層の水分・脂質・NMFの3つによる肌のうるおいバランスのことです。
このバランスが整うと肌に透明感が生まれ、くすみ肌の解消に繋がります。
●角質層の役割
角質層は皮膚の表面に位置し、表皮や真皮を外的刺激からガードしています。
また、水分を吸収・保持する能力が高く、乾燥を防いだり健やかな肌を保つのに役立っています。
●NMFの重要性
角質細胞に存在する天然保湿因子(NMF)は水分を大量に取り込み、守る性質があります。
皮膚内部の蒸発を防ぎ、肌の潤いを保つのにとても重要な物質です。
●セラミドは不可欠
角質細胞の隙間を埋め、潤いを逃がさない役割をしているのが角質細胞間脂質です。
この角質細胞間脂質の約50パーセントはセラミドでできているため、ダメージから肌を守り、潤いをキープする為にもセラミドは必要不可欠なのです。
肌の奥がくすんでいる
くすみは肌の表面だけで起きているわけではありません。
肌の奥で起こっている様々なトラブル要因がくすみを引き起こしていることもあるのです。
ターンオーバー周期の乱れ
表皮細胞が生まれ変わり、角質になって垢として剥がれ落ちるのが肌のターンオーバーですが、乱れてしまうと角質が肌に残ったままどんどんメラニンが生成されてしまうので肌がくすんで見えてしまいます。
メラノサイトとメラニン分泌
肌が紫外線を浴びたり、摩擦やストレスを感じるとメラノサイトを刺激し、メラニンが分泌します。
●メラニンが過剰分泌する原因
通常、肌のターンオーバーとともにメラニンは分解され角質となって剥がれ落ちます。
しかし、ターンオーバーに乱れが生じたり、過剰な肌ダメージを受けるとメラニンは過剰に分泌され、肌に残ってしまうのです。
コラーゲン不足が発生
ターンオーバーによって肌の弾力成分であるコラーゲンも生成と分解を繰り返しています。
ところが加齢に伴い細胞やコラーゲンが老化すると、そのサイクルに遅れが生じます。
コラーゲン不足になると肌の弾力低下だけでなく、血液循環の悪化や皮膚が薄くなるなどし、血色が悪く見えくすんだように見えてしまうのです。
日常生活の盲点 その①
くすみを解消しようとケアを徹底していても肌色が冴えないのには理由があります。
思わぬところで起こっているくすみの原因、「酸化」について考えていきましょう。
酸化が肌をくすませる!?
金属は酸化すると錆びてしまいます。
同様に肌も酸化してしまうと錆びてしまうと知っていましたか?
この酸化による肌錆びがくすみの元になっています。
●酸化とは
酸化反応を起こし「錆びた」状態になった肌のことをいいます。
●酸化の原因
紫外線や炎症反応の影響を受けると酸素が不安定に変化し、活性酸素を発生させることが酸化の原因です。
●酸化のメカニズム
活性酸素のダメージから肌を守るための抗酸化酵素や、ビタミンCなどの抗酸化物質は肌内部で生み出されていますが、年齢と共にこの働きは低下するため、守り切れずに酸化が起こってしまうのです。
●肌と酸化
活性酸素によって肌内部の細胞が攻撃されるとコラーゲンを作る働きが弱くなります。
コラーゲンがなくなると肌の弾力・血液循環が悪くなるため、ハリやくすみといった肌の老化に繋がってしまうのです。
日常生活の盲点 その②
肌がくすむ原因のひとつが「糖化」です。
くすみを引き起こす糖化という現象は肌にどう影響するものなのでしょうか。
糖化が肌を濁らせる!?
糖と聞くとダイエットや体型のダメージをイメージしてしまいがちですが、実は肌のトーンに大きな影響を与えているのです。
●糖化とは
糖化とは、たんぱく質や脂質が糖と結びつき体内に蓄積する現象のことです。
●糖化の原因
食事などで摂取した糖はエネルギー源になりますが、代謝されずに残ってしまうと体内にあるたんぱく質と結びつき、糖化たんぱく質が生成されて残ってしまうのです。
●糖化のメカニズム
皮膚内にあるたんぱく質であるコラーゲンやエラスチンが糖分と反応すると糖化生成物という物質を作ります。
糖化生成物は一度できてしまうと分解されずに蓄積されてしまいます。
●糖化と肌(黄ぐすみとは)
肌が糖化するとたんぱく質を固めてしまうため、肌の弾力が失われます。
また、糖化たんぱく質自体が褐色なので、肌を黄色くしてしまう「黄ぐすみ」を引き起こしてしまいます。
酸化予防と改善でくすみ解消!
肌にとって大敵な「酸化」はくすみにとって大きな原因となっています。
酸化を防ぎ、クリアな肌に近づくにはどのようなケアが必要なのでしょうか。
紫外線対策
紫外線を過剰に浴びると酸化の元となる活性酸素が発生してしまうため、紫外線対策は必須です。
UV対策としてSPF・PAの表記がされている日焼け止めをこまめに塗ることはもちろんですが、直接紫外線が肌にあたらないように日傘、帽子、サングラスを身に着け、目から入る紫外線対策も忘れず行いましょう。
喫煙は百害あって一利なし?
喫煙をすると、たばこの煙に含まれる有害物質を攻撃しようとする活性酸素が発生し、抗酸化物質である体内のビタミンCやEが破壊されます。
肌の乾燥やくすみを引き起こしてしまうため、肌にとって喫煙は老化を招く行為といっても過言ではありません。
抗酸化成分
紫外線・摩擦・汗など、日々の生活で生み出されてしまう活性酸素を除去するには、抗酸化成分を肌に取り入れる事が重要です。
●化粧品編
活性酸素に効く美容成分はビタミンC、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、フラーレンなどがあります。
特にフラーレンは持続力と安定性があり、紫外線を浴びても壊れにくい特徴があります。
化粧品を選ぶときはこれらの成分に注目してみましょう。
●食事編
抗酸化力のある食事はビタミンA・C・E、亜鉛やポリフェノールを含んだものがおすすめです。
ビタミンは加熱すると壊れやすい性質の為、サプリメントを取り入れるのもおすすめです。
糖化予防と改善でくすみ解消!
くすむ原因となるもう一つの大敵である「糖化」も、透明感のある肌を手に入れるためには予防策を頭に入れておく必要があります。
食生活チェック!
糖化を進めないためには血糖値を急激に上げないことが大切です。
朝ごはんは菓子パン、ランチにうどんやラーメン、ピラフなどで済ませていませんか?
空腹で吸収力が上がった状態で糖質量の多い食事をすると血糖値を上昇させてしまいますので、糖質の吸収を緩やかにする食物繊維を含んだ野菜を最初に食べることを意識し、糖化のリスクを減らしましょう。
抗糖化成分
抗酸化成分に比べ聞き慣れない抗糖化成分ですが、肌内部のコラーゲンを破壊する糖化を防ぐためにも化粧品や食事選びの際には成分をしっかりチェックしましょう。
●化粧品編
化粧品に含まれている抗糖化成分はあまりありませんが、たんぱく質と糖が合わさるのを防いでくれるセイヨウオオバコ種子エキス、糖化の除去に役立つYACエキス、レンゲソウエキスが注目されています。
糖化生成物は一度できてしまうと分解されずに蓄積されてしまうため、毎日使う化粧品で肌表面から成分を浸透させることが大切です。
●食事編
カモミールティー、甜茶、生姜、ブルーベリーなどには抗糖化作用があると言われています。
食べる順番に気を付けながら毎日の食事に取り入れてみてください。
まとめ
肌のくすみは加齢や表面の角質汚れだけが原因ではありません。
肌内部に起こったダメージによって起こるくすみ肌には日常生活の見直しが必要です。
徹底したケアと少しの意識改善で、透明感があるくすみ知らずの若々しい肌がよみがえりますよ。
この記事は、ライターが収集した情報に基づいて作成されています。効果には個人差がございますので、ご自身の責任でご利用・ご参考ください。
加恵美容家
10年のアパレル勤務を経て美容ライターに。年齢や体の変化と上手に付き合えるヘルシーな美容法を発信していきます。コスメを手作りすること、香りコスメを集めることが大好き。日常に取り入れやすいシンプルケアにトレンドを取り入れながら日々、美を追求し続けています。Recommend
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