
顔は人の第一印象の9割を決めるという事実は知っている人も多いですよね。その中でも目は顔の印象を左右するパーツです。ところが、老化によってたるみやすい部分でもあり、そのため年齢よりも老けて見られたり、疲れているように見えてしまうのです。
目元のタルミは主に筋肉の衰えが原因です。目のまわりの筋肉を鍛えて若々しい目元を取り戻す方法をお伝えします。
もくじ
目のまわりにある筋肉
目は多くの筋肉で支えられています。トレーニングの効果を高めるために、目の筋肉について知っておきましょう。
まぶたを動かす眼輪筋
眼輪筋は、目の周囲をぐるりと囲んでいる筋肉です。目を開け閉めする役割と同時に、涙の量を調節する役割もあります。そのため、眼輪筋の衰えはドライアイにもつながります。また、目元がたるむのは眼輪筋の衰えが主な原因です。
目を大きく開けるときには、眼輪筋ではなく、おでこの筋肉を使っている場合が多いです。逆にいえば、目を開けるときにおでこにシワがよる場合は、眼輪筋があまり使われていないといえるでしょう。目を閉じるときは眼輪筋が大いに使われます。
眼球を支える外眼筋
1つの眼球に6つの外眼筋(内直筋、外直筋、上直筋 、下直筋、上斜筋、下斜筋)があります。目を上下左右に動かしたり、斜め方向や回転させるのに、それぞれ別の種類の外眼筋を使います。
外眼筋は眼球を支えているので、衰えると眼球が下がってしまいます。こうなると、下まぶたにある眼窩脂肪(がんかしぼう)が眼球の重みで圧迫されて前に押し出されてしまいます。これが原因で、下まぶたが膨らんで影ができるようなタルミができてしまいます。
遠近や明暗を調節する内眼筋
内眼筋には、瞳孔を拡大・縮小させて光を調節する「虹彩筋」と、水晶体の厚みをかえて遠近を調節する「毛様体筋」の二つがあります。疲れて目の奥が痛いときは、この筋肉のどこかが傷んでいることになります。
目のタルミには直接関係がないですが、視力に大きく関わっています。目の疲れで視力が落ちるとどうしても目つきが悪くなりますし、それがシワの原因にもなりますので、気にしておきたいところですね。
目の筋肉が衰える原因は?
筋肉は使わないと衰えるものですが、それは目の筋肉も同じです。老化も原因になりますが、それだけではありません。特に気を付けたいことを説明しましょう。
PCやスマホの見過ぎ
同じところを長時間見ることは、目の筋肉の衰えにつながります。PCやスマホをみているときはまばたきの回数が減り、それに伴って眼輪筋の動きも減少します。また、狭い範囲を見続けているため、眼球を動かす筋肉も使われません。仕事などでPCを使う人は気を付けたいですね。
対処法としては、1時間毎に休憩をはさむことです。眼球を動かしたり、首や肩をまわして
血行をよくすることで、目の疲れも改善します。詳しくは後ほど説明するトレーニング方法を参考にしてください。
また、スマホはPCよりも目からの距離が近くなりやすく、画面も小さいため、目の負担は大きくなります。目元美人をめざすなら、ひまつぶしに何となくスマホをいじるという習慣はやめて、できるだけ見る時間を減らしたいですね。
屋内で過ごす
PCやスマホをあまり使わないとしても、屋内で過ごすのと屋外で過ごすのとは、目の筋肉の使い方に大きく差がでます。というのも、屋外の方が景色は奥行きがあり、自然と遠くの景色も目に入ります。近くの草花をみたり、遠くの山を見たりと、眼球の筋肉も大いに使われています。
屋内で過ごすと、どうしても長時間同じ姿勢でいることが多くなったり、テレビやスマホ、本など手元で楽しむものが多くなります。目から近い距離のものを長時間みることで目の筋肉が衰えるのは先ほど説明した通りです。
他にもあるタルミの原因
目元がたるむ原因は、筋肉の衰えだけではありません。目元のタルミを引き起こす原因を説明しましょう。
目元の乾燥
目のまわりは皮膚が薄いため、乾燥しやすくなっています。乾燥がなぜタルミにつながるのかというと、皮膚の弾力を保つためには水分が必要で、弾力がなくなると重力に逆らうことができなくなるからです。
乾燥を予防するには、目元の保湿が大切です。目の際は特に化粧水や乳液などを塗りにくいので、意識してしみこませるように手入れしましょう。また、ファンデーションも落ちやすい場所です。目元は特に意識して塗りなおすようにすると、乾燥予防にもなります。
目元への刺激
アイメイクを落とすときやコンタクトレンズを入れるとき、アレルギーなどで目をこすったりという刺激がタルミにつながります。刺激は色素沈着を起こしてシミやクマの原因にもなりますが、皮膚を引っ張ることで伸びきってしまうと元に戻りにくくなり、たるんでしまいます。
対策としては、できるだけ目元に刺激を与えないことに尽きます。アイメイクを落とすときは目元を引っ張らないようにやさしく、コンタクトレンズをいれるときは下まぶたをできるだけ引っ張らないように、ということを意識しましょう。
目の周りの血行不良
目のまわりには多くの血管があり、酸素や栄養素を運んでいます。それによって新陳代謝がおこなわれて皮膚を健康に保っているのですが、血行不良になるとその機能が衰えるため、たるみやすい皮膚になります。
目の血行不良は目を酷使することでも起こりますが、長時間同じ姿勢による全身の血行不良でも影響します。肩や首を回したり、伸びをしたり、頭皮のマッサージをすると、目の血流がよくなってすっきりするのが実感できますよ。
紫外線
紫外線は活性酸素を発生させて、肌の老化を促進することは知られています。老化が促進すると新陳代謝が衰え、肌の弾力も低下します。目のまわりは日焼け止めを塗りにくく、塗ったとしても汗や涙で落ちやすい部分です。
目のまわりの紫外線を避けるなら、化粧水や乳液でしっかりと保湿をして、ファンデーションを意識して塗ることが大切です。アイメイクをするからまぶたにファンデーションを塗らなくてもよいと考えがちですが、上下まぶたにもしっかりと塗ってからアイメイクをすると、メイクの色もきれいに出ますし、紫外線対策になります。
ブルーライト
PCやスマホの照明に使われているブルーライトですが、これが目に悪影響を及ぼすことは多くの人が知るようになりました。しかし、目だけでなく、肌にも悪影響を与えるといわれています。ブルーライトは太陽の光に近く、肌の奥深くまで光が届くため、紫外線と同じく肌老化の原因になるといわれています。ブルーライトの直接の影響だけでなく、長時間強い光をみることによって体内リズムが狂って新陳代謝機能が低下する原因にもなります。もちろん、目の疲れにもつながります。
対策としてはブルーライトを避けることが一番ですが、仕事でPCを使う人は難しいですね。その場合は、ブルーライトカット眼鏡を使用したり、PCの画面設定で明るさを抑え、黄色がかった色味に変えるなど工夫をすると多少防げます。また、寝る前や起きてすぐにスマホをいじることもできるだけ控えましょう。最近ではブルーライトから肌を守ることをうたう化粧品もでてきました。このように、日頃からブルーライトを意識することが大切です。
目のタルミを解消するトレーニング
目がたるむ原因はわかりましたか?日頃から原因を取り除くことを意識しながら、空き時間を利用して次に紹介する目元トレーニングを実践しましょう。
眼輪筋トレーニング
目のまわりの筋肉を鍛えることで、血行がよくなり、タルミもクマも改善します。また、目元がすっきりして目が大きくなったり、目元やおでこのシワが目立たなくなってきます。
<目の開閉トレーニング>
- 目に力を入れてぎゅっと閉じます。そのまま5秒キープ。
- 目を力いっぱい開けて、そのまま5秒キープ。
- これを何度か繰り返しましょう。
<下まぶたのトレーニング>
- 目は上を向き、鼻の下は下に向かって思いきり伸ばします。
- その状態で目を閉じるように下まぶたを持ち上げます。
- これを何度か繰り返しましょう。
外眼筋トレーニング
外眼筋は、眼球を動かすことで鍛えられます。眼球が下がることによるタルミを予防することができます。目が疲れたときはこのトレーニングをすることで楽になるでしょう。
<八の字トレーニング>
- 眼球を八の字(∞)に動かします。
- 難しい場合は、目の前で指で八の字を書き、その指を目で追うようにします。
<八方向トレーニング>
- 眼球を上下左右と斜めに動かす運動です。
- 上→右上→右→右下→下→左下→左→左上→上の順で1秒ずつ見ます。
- 一周したら逆回りします。
- 見るときは一方向ずつ目標を決めて焦点を合わせるのがポイントです。
内眼筋トレーニング
PCやスマホの見すぎで目の焦点が合いにくくなるのは、内眼筋の機能が落ちているためです。作業の合間に内眼筋のトレーニングをして目の疲れを解消しましょう。
<遠近トレーニング>
- 両目の真ん中になるように片手を伸ばして親指を立てます。
- 親指の延長線上にある遠くの景色の目標物を決めます。
- 目標物と親指を交互にみます。
- このとき、焦点をしっかり合わせることが大切です。
目のリラックス
目は起きている間は常に多くの刺激にさらされています。目元のトレーニングだけでなく、筋肉をリラックスさせて血流を回復させましょう。
<温熱療法>
- 蒸しタオルを用意します。濡らしたタオルを電子レンジで温めると簡単です。
- 閉じた目の上にのせて10分ほどおいておきます。
- 蒸しタオルの温度は好みで構いません。また、目に炎症があるときは避けましょう。
いつでもできる方法として、目を閉じて、その目を手で覆うだけでもある程度のリラックス効果が得られますよ。
タルミを改善する食生活
目元のタルミを改善するために、目のトレーニングだけでなく、食生活も考えてみましょう。目に良いといわれる食品をとるだけでなく、バランスのよい食事が大切です。
抗酸化食品
活性酸素によって肌の老化が促進するので、酸化をおさえる抗酸化食品はタルミの改善に役立ちます。私たちの生活の中で活性酸素を発生する原因は多く、ストレスや激しい運動、紫外線などがあります。目元のタルミ対策だけでなく、全身の美容のためにも積極的にとっておきたいですね。取りやすい食品は次のとおりです。
・バナナ
・アボカド
・アーモンド
・緑黄色野菜
・緑茶
・キャベツ
肌によいビタミン類
ビタミンは体の調子を整えるのに欠かせない栄養素です。特にビタミンCは新陳代謝を促進して皮膚や粘膜を健康に保つ役割があります。美容成分としても多くの化粧品に含まれています。目元のタルミだけでなく、シミやシワ対策としても積極的にとっておきたい栄養素です。ビタミンCが多く含まれている食品は以下の通りです。
・果物(特に柑橘類やイチゴなどのベリー類)
・野菜類
・イモ
ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いので、新鮮なものを生でとるのがおすすめです。
血流をよくする食品
体の血流が悪いと、目元のタルミだけでなく、全身の不調を引き起こします。特に夏は冷たい物を食べたりエアコンの影響で体が冷えて血流が悪くなりがちです。適度に運動して全身の血行をよくすることと同時に、以下にあげる体を温める食品を積極的にとりましょう。
・しょうが
・たまねぎ
・豆類
・根菜類
・温かい番茶やほうじ茶
・みそや納豆などの発酵食品
まとめ
目元のタルミは努力次第で改善することがわかりましたか?体のダイエットで筋肉を鍛えることはあっても、目元の筋肉まで鍛えている人はどれくらいいるでしょうか?鍛えればゆっくりですが必ず効果がでます。今回あげたトレーニングを実践して、まわりに差をつけましょう。
この記事は、ライターが収集した情報に基づいて作成されています。効果には個人差がございますので、ご自身の責任でご利用・ご参考ください。
山川 ハナエ美容家
主婦兼フリーライター/元看護師/三児の母。独身時代は給料の大半をエステと趣味のバレエに費やす美容オタク。働く女性と育児奮闘中の母の気持ちがよくわかる。趣味は読書、英語学習、舞台鑑賞。年を重ねても内面が輝く美しい女性に憧れている。Recommend
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