
顔だけでなく、手足や体の乾燥を感じるとかゆみもひどくなり、ストレスを感じてしまいます。
特に冬場に感じる全身の乾燥は手ごわく、保湿をしてもなかなか改善されず、かゆみが湿疹となったり粉吹きがひどくなって見た目にも影響を及ぼしてしまうことも。
全身の乾燥は生まれつきや体質なのでしょうか?実は乾燥が全身に及ぶ場合、肌質だけでなく入浴や体の洗い方、生活習慣から乾燥がひどくなっていることも多く、間違ったケア方法を続けていると保湿どころか悪化してしまうケースも。
つらい全身乾燥をおさめることができる3つの対策と、しっとり肌に変わる部位ごとの保湿方法をご紹介しますので、ぜひ毎日のケアにとり入れてみてください。
もくじ
全身が乾燥する原因
冬になると季節の影響でデリケートに肌が揺らぎやすくなり、しつこいかゆみがともなうほど全身が乾燥しやすくなります。なぜこのような乾燥が全身をとりまくのでしょうか?
その原因は一つではありません。あなたの状態と見比べてみてください。
●体質によるもの
乾燥にかかわらず、オイリー肌やアレルギー肌、敏感肌など、肌質には生まれつきや遺伝、体質が関係しています。皮脂や水分量も人それぞれもって生まれた状態に差があるので、バリア機能の働きも人によって違うのです。
●洗いすぎ・入浴
入浴や洗顔、体を洗うことは長年の習慣になっていることが多く、気が付かない間に乾燥の大きな原因になっていることがあります。
温度が高すぎるお湯に長時間浸かったり、ゴシゴシ洗いすぎると肌を守る潤いとなっている皮脂まで流れてしまい、バリア機能を弱めてしまうのです。
●外気の影響
冷たい風に長時間あたることや、湿度環境が悪い状況で過ごすと肌は乾燥しやすい状態に。また、紫外線は日焼けだけでなくバリア機能を低下させたりターンオーバーを乱れさせ肌の生まれ変わりを邪魔するため、肌状態を悪くしてしまいます。
●摩擦
摩擦によるダメージは肌のバリア機能を壊す大きな原因です。たとえ意図的に擦りつけていなくても、衣服の素材が合わないことや作業時に肌と無意識に接触していることがあり、乾燥を引き起こしてしまいます。
●間違ったスキンケア
乾燥しているから体にクリームをたっぷり、とにかく保湿、と自己流のスキンケアを繰り返していても、肌に合わない成分が含まれていたり十分に浸透できていない方法で塗布していると効果はありません。美白成分やビタミンC誘導体などの成分が肌を乾燥させてしまうこともあります。
●生活習慣の乱れ
油分の多い食事、ダイエットのし過ぎで栄養が足りていないなど、食事面がバランスよく摂れていないと皮膚細胞が栄養不足になってしまい乾燥の原因に。運動不足による血行不良や睡眠不足でターンオーバーを乱す生活習慣にも気をつけなければなりません。
●ストレス
ストレスを感じると自律神経が乱れ、肌の免疫力が下がります。外的刺激の影響を受けやすくなってしまい乾燥や肌荒れを引き起こす原因に。女性ホルモンのバランスも乱してしまうため、溜まったストレスは早めに解放してあげることで美肌を維持できるでしょう。
入浴方法の改善で全身潤う肌に
入浴は正しく行わないと肌の潤いを逃がしてしまうことに。お湯の温度や洗い方は長年の習慣になっていることが多いので、これを機に全身乾燥を防ぐ入浴方法に変えましょう。
入浴方法を改めるだけで見違えるほど乾燥が落ち着き、しっとり肌になりますよ。
お風呂の温度と入浴時間
肌表面の潤いは油分と水分でできている皮脂膜でキープされ、バリア機能となっています。しかし、お風呂の温度が高すぎたり入浴時間が長すぎると、油分は流れ出てしまい、肌の水分が逃げやすい状態になってしまいます。
お風呂の温度は38~39℃が理想的。浸かる時間も15分程度にとどめましょう。
潤いを逃さない洗い方
肌の汚れをしっかり落とし、清潔に保とうとしてゴシゴシ洗うと摩擦の影響からバリア機能を破壊してしまいます。また、洗浄力の強いシャンプー・ボディーソープ・洗顔料の使用も潤いを流してしまい肌にとって刺激となってしまいます。
使用するせっけん類の量は最小限にし、あらかじめ泡立てておきましょう。しっかり濡らした肌に優しく洗い、流すシャワーの温度も浴槽のお湯の温度と同様、39℃以下にしてください。
オイルでしっとり肌に変える
入浴時の潤いに強い味方となってくれるのがオイルです。ホホバオイルやスクワランオイルといった保湿効果の高いオイルを入浴剤がわりに浴槽にオイルを垂らすことで、乾燥肌を和らげてくれる効果があります。
また、浴室から出ると一気に乾燥が進むので、濡れた状態の肌にベビーオイルを全身に馴染ませておくとお湯と混ざってオイルが乳化し、乾燥を防ぐことができます。
肌を守るための紫外線と湿度対策
紫外線は日焼けだけでなく、乾燥やくすみ、シミ、シワなど、老け肌に導く美肌の敵です。また、スキンケアをがんばっていても肌を乾燥させてしまう湿度にも気をつけなければなりません。
全身が乾燥してしまう原因となっているこの2つの外的影響から肌を守るポイントを、ここではお伝えします。
紫外線ケアは一年中必要
紫外線は肌表面だけでなく蓄積されたメラニンが皮膚細胞までも刺激し、体内の活性酸素を増やすことで体を酸化させてしまいます。乾燥による全身のかゆみはもちろん、シワやシミ、くすみの原因になるので外出時にはUVケアを徹底しましょう。
冬の紫外線量は夏より少なくついUVケアを怠りがちですが、長時間の外出が続くと夏に短時間外出するのと変わらない紫外線量を浴びることになるので、一年中日焼け止めは使用しましょう。
肌を潤す理想の湿度とは
空気中にある水蒸気は湿度が低くなればなるほど蒸発し、肌表面を潤す水分も逃げやすくなってしまいます。つまり、湿度が低すぎると全身が乾燥しやすい状態に。
肌に適した湿度は60%前後といわれています。湿度が高すぎると菌の繁殖や汗をかくことから肌にかゆみを及ぼすこともあるので、特に夏や冬のようにエアコン環境で過ごすことが多い時期は湿度にもこだわりましょう。
全身美容は生活習慣の改善で決まる
スキンケアや入浴、乾燥予防は正しく行えている、敏感肌ではない人が全身の乾燥に悩んでいる場合、生活習慣の乱れや食事、睡眠が肌にとってストレスとなり、知らず知らずのうちに乾燥を進行させている可能性があります。
あなたの食生活や睡眠習慣と比べ、改善に繋げましょう。
食べる保湿で全身乾燥を和らげる
食事から保湿効果を得るなら、ビタミン群をしっかり摂ることが有効です。ターンオーバーを促進し、肌の生まれ変わりを助けるビタミンA、美肌の元になり乾燥による吹き出物や肌荒れを防ぐビタミンB1、抗酸化作用があり肌細胞の老化を防止するビタミンC、Eをバランスよくとることが大切です。
質の良い睡眠で肌は生まれ変わる
寝ている間に肌細胞は活性化し、揺らいだ肌を落ち着かせてくれたり保湿成分によって肌が生まれ変わるので、睡眠は美肌を維持するのにとても大切にしなければならない時間です。
ぐっすり眠れるのは入浴後1時間経った頃、体から余分な熱がとれリラックスしたタイミング。この時間にベッドへ入れるように、スキンケアなどは済ませて置き、スマートフォンやTVの光はシャットアウトしておきましょう。
全身保湿が叶う正しいケア方法
全身の乾燥には、体・顔・髪、それぞれに合った適切な保湿方法でケアを行う必要があります。ここでは、それぞれの皮膚の特徴から、パーツごとに粉吹きやかゆみを落ち着かせるケアのやり方をご紹介します。
●顔
乾燥で顔にかゆみが生じる場合、バリア機能が失われている可能性があります。セラミドを含んだ敏感肌に適した基礎化粧品で潤い膜をつくるケアをしてあげましょう。美容液やクリームは美容成分が豊富なものよりもオーガニックのものや天然成分の優しいものを使用して、肌にとって刺激とならないようにしてください。
また、洗顔後は乾燥しやすいのでスキンケアは手早く行いましょう。
●手足・ボディー
ボディーケアといえばクリームやオイルをたっぷり、というイメージが強いですが、水分量が足りていないと油分ばかりプラスしても乾燥はおさまりません。スキンケアと同じように体にも化粧水を含ませ、肌を柔らかくしてからクリームやオイルで保湿してあげてください。
●ひじ・ひざ・かかと
角質層が厚く皮脂が少ないのがひじ・ひざ・かかとの皮膚の特徴です。また、地面やテーブルなどに接触する機会が多い部位なので刺激を受けやすく、角質肥厚や色素沈着をともない、乾燥が進むと粉吹きが起こってしまいます。
表面がザラザラしているほど角質が肌に残っている場合はスクラブで除去しましょう。やりすぎは乾燥を進行させてしまうので週1回程度にし、スキンケアと同じように保湿をしてください。
●頭皮・髪
頭皮はおでこや耳周りと繋がっているので、乾燥がひどくなると顔周りにも影響してしまいます。シャンプーはモイスチャー成分や天然オイルが配合されている地肌に優しいものを使用し、乾燥しやすい毛先にはトリートメントを使用し潤いを閉じ込めましょう。
ひどい全身乾燥は医師に相談を
乾燥がひどくなり、かゆみがおさまらず肌の炎症がおさまらない場合、皮膚疾患による影響が考えられます。気になる場合は自己判断せず、かかりつけの皮膚科を受診しましょう。
皮脂欠乏症
乾燥が進行し、肌表面を覆う皮脂膜が減少してしまうと刺激を受けやすい肌状態になります。皮脂欠乏症は、皮脂や汗の分泌が減り、キメが粗くなったデリケートな肌に刺激物が接触することで湿疹を生じたり、粉吹きがひどくなって強いかゆみをともなう症状の肌のことをいいます。
お尻や背中、足などに症状が出やすいので、気になる場合は速やかに皮膚科を受診してください。
成人型アトピー性皮膚炎
アトピーと聞くと体質や子供のころからの影響で肌に現れるイメージですが、大人になってからアレルギーによって引き起こされたり、汗や乾燥、化粧品やせっけん類による化学的な刺激、ホルモンバランスやストレスからも症状が出ることがあります。
顔や首周りなど、皮膚が薄い部分に強いかゆみや炎症がおきている場合は、やみくもに保湿するのではなく、皮膚科で処方された外用薬で症状を落ち着かせましょう。
まとめ
かゆみや粉吹きを感じる全身の乾燥は、睡眠や仕事の集中力を邪魔したりストレスの元になってしまいます。保湿だけでなく、毎日の入浴や生活習慣にも目を向けながら乾燥肌を改善していきましょう。
あまりに乾燥がひどい場合はかかりつけの医師に相談してみてくださいね。
この記事は、ライターが収集した情報に基づいて作成されています。効果には個人差がございますので、ご自身の責任でご利用・ご参考ください。
加恵美容家
10年のアパレル勤務を経て美容ライターに。年齢や体の変化と上手に付き合えるヘルシーな美容法を発信していきます。コスメを手作りすること、香りコスメを集めることが大好き。日常に取り入れやすいシンプルケアにトレンドを取り入れながら日々、美を追求し続けています。Recommend
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