
デリケートゾーンのトラブルに悩みをもっていませんか?実は、言いにくいだけで多くの女性が悩んでいるのです。
その悩みで多いのが「かゆみ」。原因は「乾燥」であることを知っていますか?
年齢とともに変化するホルモンバランスですが、女性ホルモンの減少は顔などのお肌の乾燥だけでなく、デリケートゾーンの乾燥にも関係するのです。詳しい原因と対処法を知っておきましょう。
もくじ
デリケートゾーンが乾燥するのは女性ホルモンのしわざ
女性にとって密接なかかわりがある女性ホルモン(エストロゲン)ですが、20代から急激に増えはじめ、30代半ばをピークに、その後は減少していきます。ストレスなどでもホルモンバランスは変化します。デリケートゾーンとの関係について知っておきましょう。
デリケートゾーンを知っておきましょう
デリケートゾーンを観察したことはありますか?複雑な構造をしていますが、知っておくとケアに役立ちます。恥ずかしいことではなく、女性として健康を守るためには大切なことですよ。
デリケートゾーンは大きくわけると、大陰唇をはじめとする外側の皮膚の部分と、小陰唇、尿道口、膣口がある粘膜部分があります。詳しく説明すると、以下のような部位があります。
- 恥丘(ちきゅう):陰毛の部分にある骨(恥骨)に沿ってあるなだらかな部分。
- 大陰唇(だいいんしん):恥丘の下から両側にある割れ目のふっくらとした部分。
- 小陰唇(しょういんしん):大陰唇の内側にある ヒダ状の部分。
- 膣前庭(ちつぜんてい):小陰唇に囲まれた部分。
- クリトリス:小陰唇の上側にある小さな突起。
- 外尿道口(がいにょうどうこう):クリトリスの下にあり、尿の出口。
- 膣口(ちつこう):外尿道口の下にある膣の入り口。
- 会陰部(えいんぶ):大陰唇と小陰唇がつながる部分から肛門までの間。
女性ホルモンとデリケートゾーンの関係
女性ホルモンが減少すると、デリケートゾーンにどのような影響が現れるのでしょうか?
女性ホルモンは肌のうるおいを保つ成分として大切なコラーゲンやヒアルロン酸の生成にかかわっています。顔の肌だけでなく、デリケートゾーンの保湿にも関係するので、女性ホルモンの減少によって乾燥するのです。
また、膣には自浄作用があります。粘膜を常に弱酸性に保ち、細菌から身を守る機能です。これは粘膜のグリコーゲンの作用ですが、女性ホルモンが減少するとグリコーゲンも減少し、乾燥によるかゆみやかぶれが起こりやすくなります。
30代以降からは要注意
20代、30代は性成熟期と呼ばれ、妊娠・出産のために最も女性ホルモンが多い時期でもあります。しかし、30代半ばから減少していき、更年期と呼ばれる40代以降は急降下していきます。そのため、人によっては更年期障害といって体や心の不調が現れやすくなります。
また、30代以降は仕事や育児などのストレスを受けやすく、生活習慣も乱れやすい時期でもあります。ホルモンバランスが崩れやすいために、デリケートゾーンのトラブルも感じやすくなるのです。
他にもある乾燥の原因
乾燥の原因は老化による女性ホルモンの減少だけでなく、デリケートゾーンならではの原因があります。
〇下着やナプキンによる摩擦
一日中着用している下着は、動いているときは特にデリケートゾーンを刺激します。さらに、ナプキンをつけていると、蒸れやすい環境に。度重なる刺激によって肌の表面が削れて、乾燥しやすくなります。
〇乾燥肌
肌が乾燥しやすい人は、デリケートゾーンも乾燥します。食事や生活習慣が乱れていると、乾燥肌になりやすくなります。
〇洗いすぎ
顔の肌もそうですが、洗いすぎると必要な保湿成分や皮脂までとってしまい、肌が乾燥にかたむきます。特にデリケートゾーンは清潔に保ちたいために、洗浄力の強い石けんでゴシゴシ洗いがち。正しい洗い方は後ほど説明します。
〇血行不良
冬の寒さや下着の締め付けで血行不良になります。特にデリケートゾーンは常に下着や衣服で覆われている部分でもあり、ヒップや太ももが気になってガードルでカバーしている人も多いでしょう。ストッキングも同様です。血行不良は免疫力低下にもなり、肌が乾燥しやすくなってしまいます。
デリケートゾーンが乾燥すると?
デリケートゾーンの乾燥で、様々なトラブルが起こりやすくなります。よくあるデリケートゾーンの悩みである「かゆみ」「痛み」「黒ずみ」「ニオイ」は乾燥が原因で感じやすくなります。それぞれの原因を細かく見ていきましょう。
〇かゆみ
肌が乾燥すると、菌などの感染から守るために存在している常在菌のバランスが崩れます。肌の表面を守っている皮脂も減少するので、刺激に弱くなり、かゆみとして感じます。
〇痛み
刺激に弱くなった皮膚は傷つきやすくなります。こまかな傷をピリピリとした痛みとして感じます。
〇黒ずみ
下着のすれやナプキンなどの刺激によってメラノサイトが活発化して黒ずみができやすくなります。
〇ニオイ
常在菌のバランスが崩れ、雑菌が繁殖した結果、ニオイがきつくなります。
デリケートゾーンの乾燥を防ぐには
では、デリケートゾーンを乾燥から防ぐにはどうすればよいのでしょうか。気になるからといって洗いすぎたり、逆に見えないからと雑に洗っていたりしていませんか?正しいケア方法を知っておきましょう。
デリケートゾーンの洗い方
デリケートゾーンは雑菌が残りやすい場所です。清潔にすることは大切ですが、洗いすぎは本来の自浄作用を弱めてしまうので逆効果になります。普段使っているボディーソープでもよいですが、できるならデリケートゾーン専用ソープを使うことをおすすめします。
<洗い方の手順>
- 石けんを手に取り、しっかりと泡立てます。
- アンダーヘア→デリケートゾーン→肛門の順で洗います。
※肛門は最も雑菌が多い場所。順番を間違えると、デリケートゾーンに雑菌がつきます。 - 洗い方は指の腹でやさしくマッサージするように。刺激にならないように短時間で手際よく行います。
※生理中の血液やニオイが気になるからと、膣まで洗う必要はありません。自浄作用が失われます。 - 鏡をみて、恥垢やおりものが残っていないか確認しましょう。
デリケートゾーンの保湿方法
デリケートゾーン専用の保湿剤があります。理想的には朝と入浴後の2回使うのがよいでしょう。
<保湿方法>
- デリケートゾーン専用保湿剤を手にとり、手のひらであたためます。
- 指の腹をつかって、やさしく丁寧になじませます。このとき、刺激になるので、こすらないように注意しましょう。
下着やナプキンの刺激に注意
下着などの衣服やナプキンもデリケートゾーン乾燥の原因になります。特に生理中のナプキンやおりものシートを常用している場合は注意が必要です。
<下着や衣服の選び方のポイント>
- 下着の素材は綿100%やシルクなど、肌ざわりがよいものを。
- ゴムの締めつけ感がないトランクスタイプや、ゴムなしの下着で通気性を大切に。
- スキニージーンズやストッキングは血行不良やムレの原因に。特に家でのリラックスタイムや就寝時にはゆるやかな衣服を着用するよう意識しましょう。
<ナプキンやおりものシート使用のポイント>
- トイレに行くたびに交換するのが理想的。特に生理中は気を付けましょう。
- 出血量に合わせてナプキンの大きさをかえ、できるだけ肌への接触面を少なくする努力を。
- 不必要なおりものシートは使わない方が無難。
- 通気性のよい布ナプキンを使うのもよいでしょう。
生活習慣を改善してホルモンバランスを整える
デリケートゾーンの乾燥は、女性ホルモンの影響が強いことは先にお伝えしましたね。ホルモンバランスは、生活習慣やストレスで乱れやすくなります。また、40代にさしかかると、更年期障害がおこりやすくなります。食事や睡眠、ストレスコントロールでホルモンバランスを整えましょう。
<食事のポイント>
- 1日3食、できるだけ決まった時間に食べましょう。
- 健康な肌を作るにはたんぱく質が大切。忙しいと炭水化物ばかりになりやすいので、意識的に肉や魚、乳製品を取り入れましょう。
- 野菜や果物などに含まれるビタミン、ミネラルはたんぱく質の合成を助けたり、肌の保湿力をアップしたりする効果があります。忙しくて十分に摂れない場合は、サプリなどで上手に補いましょう。
- 脂質、糖質、塩分の多い食事はホルモンバランスの乱れにつながります。摂りすぎに注意しましょう。
<睡眠とストレスコントロール>
- 睡眠は健康な肌を作るのに必要不可欠。十分な睡眠でストレスを和らげる効果もあります。
- ストレスがたまって眠れないときは体を動かすのが効果的。寝る前の軽いストレッチでリラックスしましょう。
- 温かい湯船にゆっくりつかり、ほっと一息つく時間を作りましょう。
- 寝る前のスマホやPC作業は脳を興奮させます。できるだけ避けたいですね。どうしてもというときは、ブルーライトカットめがねを使い、短時間で終わらせるようにしましょう。
デリケートゾーンが潤う膣トレ方法
デリケートゾーンの乾燥は、老化といってもいいもの。特に妊娠・出産を経験した方は、尿漏れなど、乾燥以外のトラブルもよくおこります。ダイエットにも効果的な膣トレを実践して、乾燥対策しましょう。
膣のゆるみチェック方法
膣がゆるむ原因は、加齢による筋肉の低下、出産による骨盤底筋群の筋肉のゆるみ、便秘による長時間のいきみが主にあります。膣がゆるむと膣の機能が弱まり、乾燥しやすくなってしまいます。
膣がゆるんでいるかどうかは、指を入れて確認することができます。乾燥して固くなっている場合は痛みがあって入りにくいため、ローションなどですべりをよくしましょう。指をいれたときに、膣の圧を感じない場合は、ゆるんでいる証拠です。
他にも日常感じる症状として、入浴後に膣からお湯がでてきた、くしゃみやせきをしたときに尿漏れがおこる、といった場合も、膣のゆるみが原因です。
骨盤底筋とは
よくきく骨盤底筋とは一体どの部分をいうのでしょうか。骨盤の中にある膀胱、尿道、子宮、直腸を、骨盤の下から支えている筋肉の総称を骨盤底筋群といいます。
つまり、尿を我慢するのは骨盤底筋群の働きだということがわかりますね。細かくいえば、骨盤底筋群の中の尿道括約筋の働きです。尿がでるときに途中で止められず、尿がもれてしまうのは、骨盤底筋がゆるんでいる証拠です。
女性なら妊娠・出産で大きくダメージを受けるのですが、経験がなくても筋肉の老化、重い物を持ち上げる、便秘で長時間いきむ、といった動作が骨盤底筋にダメージを与えます。セックスレスの原因や、ひどくなると、子宮脱にもなりますので、日頃から鍛えておきたいですね。
膣トレのやり方
膣トレはコツさえつかめば、いつでもどこでもできます。はじめは、どの筋肉が使われているのかわかりにくいですが、尿を途中でとめるときに使う筋肉をイメージするとわかりやすいですよ。
<膣トレその1>
- あおむけに寝て、足は肩幅に開き、膝をたてます。
- 息を吸いながらデリケートゾーンまわりをきゅっと締めます。
- 息を吐きながらゆるめます。
- これを何度か繰り返します。寝る前にするのも効果的。
<膣トレその2>
- 椅子に座り、両股の間に手を置きます。姿勢は正しましょう。
- 息を吸いながら置いた手をつぶすように内股に力をいれます。デリケートゾーンを意識して。
- 息を吐きながらゆるめます。
- これを何度か繰り返します。
尿を止める筋肉と肛門をしめる筋肉がわかると、立ったままでも思いついたときにトレーニングできますよ。
デリケートゾーンも乾燥対策を忘れずに
顔の肌と同じで、デリケートゾーンも老化によって乾燥する場所です。これまで意識してこなかった人も、今回ご紹介したケアを試してみましょう。膣トレはデリケートゾーンの老化防止だけでなく、おなかまわりの引き締めにも効果がありますよ。ぜひ日常に取り入れてみましょう。
この記事は、ライターが収集した情報に基づいて作成されています。効果には個人差がございますので、ご自身の責任でご利用・ご参考ください。
山川 ハナエ美容家
主婦兼フリーライター/元看護師/三児の母。独身時代は給料の大半をエステと趣味のバレエに費やす美容オタク。働く女性と育児奮闘中の母の気持ちがよくわかる。趣味は読書、英語学習、舞台鑑賞。年を重ねても内面が輝く美しい女性に憧れている。Recommend
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