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陰部のかゆみは乾燥が原因?薬の使い方と受診のポイント

かぶれが原因のかゆみ

陰部のかゆみの原因は大きくわけて2つあります。それは、「かぶれ」と「感染」。どちらも陰部の乾燥で悪化しやすくなります。まずは、「かぶれ」についてみてみましょう。

陰部がかぶれる原因

「かぶれ」とは、「接触皮膚炎」とも呼ばれ、外からの様々な刺激によって炎症を起こした状態のことをいいます。

皮膚の表面にある表皮は、外からの刺激から守るためのバリア機能を備えています。このバリア機能が弱くなったり、強い刺激が加わったりすることでバリアが破られ、かぶれが起きます。

陰部の場合、かぶれる原因は以下のものがあります。

・ナプキンやおりものシートによるスレや蒸れ
・下着のゴムによるスレ
・体を締め付ける衣服、ガードルなどによる血行不良

特に生理中や妊娠中は肌が敏感になっているので、かぶれやすくなります。

乾燥でかぶれやすくなる理由

陰部のかぶれは、乾燥によって起こりやすくなります。それはなぜでしょうか。

さきほども説明した肌のバリア機能は、皮膚の水分と油分のバランスで作られています。乾燥した肌では、少しの刺激でもかぶれをおこしてしまうのです。

感染が原因のかゆみ

かゆみの原因のもうひとつが、「感染」です。陰部の感染というと、性感染症が思い浮かぶかもしれませんが、性的な接触がなくても感染するものもあります。

陰部のかゆみを伴う感染症

陰部の中でも、粘膜部分は皮膚のバリア機能が期待できず、感染しやすくなっています。感染の経路は、性行為、温泉やプール、ペットがあげられます。

具体的に、かゆみを伴う感染症は以下のとおりです。

・性器ヘルペス
強い痛みや水泡、潰瘍ができます。一度感染すると体の中で生き続け、免疫力が低下したときに発症します。

・性器クラミジア
自覚症状は少なく、おりものが増えてかゆみがでます。不妊の原因にもなります。

・膣トリコモナス
悪臭がある泡上の黄色いおりものがでて、強いかゆみを伴います。

・膣カンジダ
酒かす状やヨーグルト状と呼ばれるおりものがでて、膣から肛門にかけて強いかゆみを伴います。

・毛ジラミ症
陰毛周辺に強いかゆみを感じます。

上にあげた症状に心当たりがあれば、はやめに医療機関を受診しましょう。

乾燥で感染しやすくなる理由

膣には自浄作用が備わっており、外部の刺激や感染から身を守っています。しかし、加齢や様々な要因で乾燥すると、自浄作用に関わっている常在菌のバランスが崩れ、感染症として現れます。

雑菌も侵入しやすくなるため、人からの感染だけでなく、雑菌による細菌性腟炎やもともと体にあるカビの一種が増殖しておこるカンジダ腟炎も起こりやすくなります。

陰部の乾燥によるかゆみを防ぐ4つのポイント

では、陰部の乾燥を防ぐにはどうすればよいでしょうか。その4つのポイントをみていきましょう。

陰部の清潔と洗いすぎに注意

まずは、陰部を清潔に保つことです。特に生理中は汚れやすく、ナプキンで蒸れやすくなっています。トイレにいくたびにナプキンをかえ、ウォシュレットで洗浄するなど清潔に心がけましょう。

また、清潔を気にしすぎて洗いすぎるのもよくありません。洗浄力の強いせっけんでごしごし洗うと、肌のバリア機能を低下させ、乾燥しやすくなります。

陰部を洗うときは、できればデリケートゾーン専用の洗浄剤でやさしく洗うのがおすすめです。

陰部は複雑な形をしているため、洗い残しが多いもの。恥垢やトイレットペーパーの切れ端が残っていることもあるため、ときどき鏡で確認しましょう。

<陰部の正しい洗い方>
・洗浄剤を手にとり、泡立てます。
・陰部のシワの間など汚れがたまりやすいところは広げて、やさしく洗います。
・前から洗い、肛門は最後に洗いましょう。肛門は雑菌が多い部位です。
・膣の中は洗わないようにしましょう。膣の自浄作用が失われます。

刺激やムレを防ぐ

刺激やムレは、肌を傷つけ、乾燥やかゆみの原因になります。

下着やガードルなどの締め付けは、陰部周辺の血流を悪くさせ、肌の状態を悪化させます。特に、ストッキングやスパッツなど通気性の悪いものを常用すると、陰部の肌に負担を与え、かゆみが悪化しやすくなります。

仕事などでやむを得ないとき以外は、下着や衣服は通気性のよいものを選びましょう。

<刺激やムレを防ぐポイント>
・下着は綿素材で通気性がよく吸湿性の高いものを選びましょう。
・ナプキンはこまめにかえましょう。
・締め付けの少ない衣服を心がけましょう。
・リラックスタイムや就寝時はゆったりした服装にしましょう。

感染を防ぐ知識を身につける

陰部が感染すると、強いかゆみを伴うことがあり、日常生活に支障をきたすこともあります。陰部の乾燥対策とともに、感染を防ぐ知識を持っておきましょう。

<感染を防ぐポイント>
・性行為で気を付ける
コンドームを正しく使いましょう。感染症にかかった場合は、パートナーとともに治療することが大切です。

・温泉やプールでは注意すること
不特定多数の人が利用する温泉やプールでは、感染の機会が多くなります。お風呂のイスやタオルなどの共用だけでなく、入るだけでも感染することがあります。利用後はシャワーで洗い流すように心がけましょう。

・免疫力を下げない工夫
免疫力が下がると、潜伏していた病原体が増殖したり発症したりすることがあります。疲れやストレスをためないように、日頃から気を付けましょう。また、体調の悪いときは、温泉やプールを控えることも大切です。

十分な睡眠と生活習慣

十分な睡眠は、皮膚の新陳代謝を促したり、ホルモンバランスを整えてくれます。陰部の乾燥は、加齢によるホルモンバランスの低下にも関わってくるので、睡眠は大切なのです。

また、バランスのよい食事や、適度な運動で血流をよくするのも効果的です。

<乾燥を防ぐ生活習慣のポイント>
・睡眠時間を十分にとり、規則正しい生活をしましょう。
・香辛料や飲酒は控えめに。たばこはやめましょう。
・油分・塩分は控えめに。
・入浴はぬるめのお湯で短時間。
・ストレスをためないようにしましょう。

かゆみがつらいときの対処法

予防法はわかったけれど、いま現在かゆみに悩んでいる方も多いでしょう。かゆみの対処法で効果的なのは、薬を塗ることですね。乾燥の場合は保湿剤だけでも効果が期待できます。具体的にみてみましょう。

陰部に使える薬や保湿剤

乾燥が原因でかゆみがある場合が多いので、まずは、陰部の保湿から行いましょう。デリケートゾーン専用の保湿剤がありますので、入浴後と朝起きたときの1日2回使うとよいですね。

軽いかぶれによるかゆみがあれば、保湿剤に加えてノンステロイドの肌にやさしいかゆみ止めが使えます。陰部には使えない薬もあるので、専門家に相談するのが確実です。デリケートゾーン専用のものなら安心して使えます。

クリームタイプ、ジェルタイプ、スプレータイプがあり、使いやすいものを選びましょう。スプレータイプなら手を汚さずに使えるので、外出時に気になるときに使いやすいでしょう。

<ステロイド配合のかゆみ止めについて>
一般的な皮膚のかゆみ止めには、ステロイド薬が配合されてあるものがあります。ステロイドは炎症を早くおさえ、かゆみに効果がある成分ですが、陰部はステロイド成分の吸収率がよいため、あまりおすすめできません。カンジダ症などの感染症がある場合は、悪化するおそれもありますので、陰部のかゆみにはノンステロイドを選びましょう。

薬の塗りかた

陰部に薬を塗るときは、強くこすって傷つけないようにするのが大切です。特にかゆいときはついついこすりたくなるもの。刺激を与えることで、さらにかゆみが強くなります。

薬を塗るときは、クリームタイプなら、手のひらで人肌に温めてやさしく塗るのが、刺激を与えないコツです。

<薬を使うときに注意したい点>
・他の薬と併用して塗らないこと
・粘膜部分には塗らないこと
・塗る部分が汚れた状態で塗らないこと
・かゆみが強くなったり、はれや発疹がでた場合はすぐに中止すること

これらの点に気をつけて使用し、1週間ほどたっても症状がよくならない場合は、医療機関に受診しましょう。

受診する目安

陰部のかゆみは、市販の薬でも改善することができますが、次のような場合は受診を考えましょう。

・かゆみが強くて我慢できないとき
あまりに強いかゆみがある場合は、市販の薬では治りにくいです。また、かゆみのために掻いてしまうと、さらに炎症が悪化し、雑菌による感染を起こす可能性が高くなります。

・早く治したいとき
受診すれば、症状にあった薬を処方してくれます。かゆみの原因は自己判断では難しい場合もありますので、それほど強い症状がなくても早く治したい場合は受診しても構いません。

・おりものがいつもと違うとき
おりものの臭いがきつい、量が多い、色が白や黄色、性状がポロポロしているなど、おかしいと思ったら何かの感染症かもしれません。受診して抗生物質や薬を使えば、数日で治ることもあります。

感染症の中でも、一般的に多いカンジダ症なら、再発に使える市販薬があります。ただし、一度受診して、カンジダ症と診断されたことがある場合に限ります。

受診するのは気が引けるかもしれませんが、デリケートな陰部を守るためには、専門家による治療をはやめに考えましょう。

婦人科受診するときの心構え

陰部の悩みで受診するときは、婦人科を受診します。婦人科受診したことがないかたは、恥ずかしい、痛いかもしれない、と不安に思うかもしれません。ここでは、婦人科受診の心構えについてみてみましょう。

<準備した方がよいこと>
・服装について
下半身をみる検査なので、スカートがおすすめです。通常はバスタオルがおいてあるので、ズボンで来てしまっても問題はありません。

・おりものシート
検査によっては消毒液を使ったり、出血したりすることがあります。

・最終生理日や子宮がん検診の有無を確認
生理日については、問診で必ず聞かれます。がん検診も訊かれることが多く、もししたことがない場合は、ついでに検診してもらうのをおすすめします。

<婦人科受診ですること>
内診でおりものの検査をします。感染があれば、膣内に抗生剤を入れます。
どうしても恥ずかしくて内診が嫌だという場合には、自分でおりものを採ったり、抗生剤をいれたりすることができることがあるので、医師に相談しましょう。

<心構え>
婦人科受診は慣れている人でも緊張するもの。恥ずかしくないようにカーテンがかけられていますが、何をされているのかわからないため、余計に不安に感じることもあります。

検査自体は数分で終わるもので、痛みはほとんどありません。怖がって力を入れてしまうと、無用な痛みを感じるかもしれません。息を吐くと力が抜けるので、リラックスして挑みましょう。

陰部の乾燥は正しい知識で改善を


陰部のトラブルのもとになる乾燥は、洗い方や下着などの衣服、生活習慣に普段から気を付けることで防ぐことができます。感染症の知識も身につけ、かゆみがあればすぐに対処することも大切です。我慢する必要はないことを知っておきましょう。

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山川 ハナエ美容家

主婦兼フリーライター/元看護師/三児の母。独身時代は給料の大半をエステと趣味のバレエに費やす美容オタク。働く女性と育児奮闘中の母の気持ちがよくわかる。趣味は読書、英語学習、舞台鑑賞。年を重ねても内面が輝く美しい女性に憧れている。

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