
寝つきが悪いことや不眠の悩みが増えている現代の日本人ですが、朝起きられない人も増加中であることを知っていましたか?
体質や低血圧だからと諦めていたとしたら、それは間違いかも。
根本的な睡眠時間が確保できていないという理由の他にも、寝る前にとっている行動が影響していたり、体温も朝の目覚めと深い関わりがあるそうなのです。
どれくらい寝たら朝起きられるの?どんな風に夜過ごせばいいの?
など、スッキリとした目覚めの導き方や対策を徹底的に解説します。
朝起きられない人や朝に疲れが残りやすい人は必見ですよ!
もくじ
朝、起きられない人が増えている!?
日本人の平均睡眠時間は海外に比べて短く“日本人は眠れていない”ともいわれている現代。
しかし、単に忙しく働きすぎ、頑張りすぎて睡眠時間が短くなっているというだけではないようです。
寝ようとしても寝付けないことや、睡眠の質が悪く深く眠れていないことで結果的に満足のいく睡眠がとれていない人も多いのだとか。
そして、不眠と同じぐらい今悩んでいる人が増えているといわれているのが“朝、起きられない”こと。
睡眠時間を確保していても布団の中でぐずぐずしてしまう、身体は起きているつもりでも頭がボーっとしてしまい目覚めていない、疲れが取れていないなどといった寝起きトラブルを抱えている人は少なくないようですよ。
なぜ、朝目覚ましをかけている時間にスッキリと起きられないのでしょうか。
あなたの生活習慣と照らし合わせながら、解決策を導いていきましょう。
朝のスッキリ目覚めを妨げている三大要因とは
目覚めが悪い、起きられないと自覚していても、その原因がはっきりしていないという人は多いのでは?
睡眠は食事や運動のように習慣的に行っていることです。その“当たり前”が、朝の目覚めに悪影響を及ぼしているかもしれませんよ。
起きられない要因として考えられる大きな3つの要因をひも解いていきましょう。
睡眠時間や睡眠サイクルが不安定
心身を安定させるには、体のリズムを調整する体内時計を整えることが大切です。
体内時計は24時間より長いとされており、乱れてしまうとどんどん夜型のサイクルになるそう。寝つきの悪さや熟睡を妨げることにも関係しているようです。
こういった睡眠サイクルの乱れはおのずと起床時間をバラバラにさせてしまい、スッキリ起きられない原因をつくってしまいがち。
体内時計は起床と就寝リズムの悪循環から乱れてしまい、目覚めも不安定にさせてしまうのですね。
睡眠時間を確保できていなかったり、起きる時間にバラつきがある、休日と普段の睡眠サイクルが違うという人は要注意ですよ。
寝る前の習慣による影響
朝、起きられない大きな要因として見落としがちなのが“寝る前の過ごし方”です。
寝る前にお酒を飲む、スマホやTVなどを見る、熱いお風呂に入るなど、睡眠の質を下げてしまうような行動を日常的に行っていませんか?
このような悪習慣は、眠るときの体内の働きと起きるときの体内の働きの切り替えを不安定にさせてしまい、眠りを安定させるのに必要なホルモン「メラトニン」の分泌を妨げてしまうのだとか。
寝つきが悪いと感じていなくても起きられない場合、起床時に必要な機能が活発に働いていないのかもしれませんね。
体が冷えている
“冷えは万病のもと”と聞いたことはありませんか?体温調節は健康維持にとってとても深く関わっているもの。それは睡眠と起床に関しても同様にいえることです。
体の内部には「深部体温」と呼ばれている体温があり、その温度は脳や身体が活発に働く日中は高く、逆に活動全般が穏やかになる夜は低くなるというサイクルになっているのだとか。
つまり深部体温の上がり下がりは寝つきや目覚めを左右し、温度が下がることで眠りやすさを、上がり始めることで目覚めを誘ってくれているのです。
しかし、体がもともと冷えてしまっていては睡眠中の深部体温が下がらず、体温のリズムが乱れてしまうことに。
体が冷えていると感じていたら、朝の目覚めの妨げになっている可能性もあるでしょう。
まずは睡眠習慣を見直そう
あなたが習慣的に行っている睡眠が、朝起きられないリズムに導いているかもしれません。
まずは、自分の睡眠を見直すことから始めてみましょう。
理想的な睡眠時間
厚生労働省が実施した「平成27(2015)年国民健康・労働調査」によると、平均睡眠時間が6時間未満の人が約4割と発表されており、年々増加しているのだとか。
他の国と比べて日本人は睡眠不足の人が多いと言われていることも、この結果が関係しているのかもしれません。
最も死亡率が低いのは7時間睡眠である可能性が高いという研究(Kripke et. al , 2002:134)の発表もされていることから、個人差はあるものの、体の調子と睡眠時間も深く関係しているといわれており、健康と睡眠時間に深い関わりがあるといえそうですね。
また、エイジングケアなどに欠かせない成長ホルモンの多くも睡眠中に分泌されていますが、最も多い分泌量を占めるのが眠り始めである2、3時間なのだそう。
そして成長ホルモンは眠り始めてから6時間かけて全身に働きかけるようなので、美容のためにも7時間前後の睡眠時間は確保した方がよさそうですね。
「ノンレム」と「レム」の睡眠サイクルも90分ごとに4~6回繰り返すようなので、約7時間の睡眠は理想的であるといえるでしょう。
二度寝は良くない?
休みの日や起床時間より早く起きてしまった場合、眠気が残ってしまった朝などについついやってしまう“二度寝”ですが、良い二度寝と良くない二度寝があるのだとか。
良いとされている二度寝は、睡眠不足を和らげるために行う少しの二度寝。睡眠時間がとれず寝るのが遅くなったものの、朝起きる時間はいつもと同じで睡眠時間が短くなってしまったという場合に有効とされています。
午前中など夜の睡眠に影響しない早めの時間に少しであれば、不足した睡眠時間を補うことができ、睡眠サイクルの乱れを防ぐことができるでしょう。
しかし、朝の光を浴びることなくそのまま二度寝してしまうパターンや、日中活発に活動した後の遅い時間に長々と眠ってしまうような睡眠は、夜の眠りに悪影響を及ぼし体内時計がずれてしまう原因にもなります。
起床時間は安定させ、二度寝する場合もリズムを乱さぬように行うことが大切です。
睡眠慣性に注意
睡眠中に分泌される物質の中で眠りの質を左右するといわれているのが、眠りの最後にかけて働く「コルチゾール」というものです。
このコルチゾールと成長ホルモンのバランスは目覚めに深い関わりがあり、生活習慣などによってこの2つのバランスが崩れてしまうと睡眠から覚醒状態への切り替えが上手くできず、一過性ではあるもののぼんやりした状態が続くことがあるといわれているのです。
これが睡眠科学の世界で呼ばれている「睡眠慣性」という現象なのだそう。
目覚めているつもりでも脳の働きが悪い、身体が思うように動かないなど、日中の過ごしにくさを感じてしまうこともあるため、心地よい眠りを安定した睡眠サイクルから導くことは非常に大事であるといえるでしょう。
朝目覚めが変わる!夜の過ごし方
起きられない要因をつくっている多くは、夜寝る前に睡眠の質を下げてしまう過ごし方をしていることにあります。
スッキリ起きられるような体内時計に変えるためにも、夜の過ごし方を見直していきましょう。
「やり残したこと」を作らない
洗い物が残ったまま、洗濯物がたためていないなどといった些細な家事や、今日できなかった仕事を思い出すことなどの“やり残し”は寝る前に考え事をつくってしまうため、脳が活発に働いてしまい、眠気を妨げてしまいます。
できる限りやり残したことをつくらず、頭を空っぽにしておくことがスムーズな眠りにつながり、朝の目覚めに役立つでしょう。
SNSやニュースのチェックをやめる
SNSやスマホのゲーム、ニュースの閲覧などをベッドに入ってからも続けていませんか?
スマホやパソコンから放たれる光が脳を覚醒させてしまう原因になり、眠りにつくための体内の働きを邪魔してしまう恐れがありますよ。
夜ではなく朝、目覚めに行う習慣をつけておけば、早起きや起床時間の安定にもつながるでしょう。
入浴30分後にベッドへ
体温の変化、温度の上がり下がりは睡眠サイクルと深い関わりがあります。
特に夜、入浴し体温が上がりきってから再び温度が下がる入浴30分後のタイミングは、眠りやすさを導いてくれるのに最適な時間なのだとか。
お風呂の温度は体を動かそうとする働きが活発になってしまう熱い温度ではなく、リラックスできる38~40℃に設定しておきましょう。
白湯を飲む
白湯は冷え対策やリラックス効果が期待でき、質の良い睡眠づくりにぴったりです。
お湯を沸かし、お風呂より少し熱めの50℃に冷ましたものをコップ一杯飲んでください。
寝る30分前に済ませておくこと、毎日続けることがポイントですよ。
朝起きられない人はぜひ実践してみてください。
起きられない人がやるべき朝型対策
最後に、朝起きられない人におすすめしたい朝型対策を3つご紹介します。
体内時計の安定や脳・体の目覚めにつながりますよ。
アラームのスヌーズ機能に注意
スマホなどのアラームから繰り返し音が鳴るように設定できるスヌーズ機能はとても便利ですが、睡眠サイクルを乱す二度寝につながりやすく、浅い眠りを繰り返す危険性があります。
「まだ眠れる」「もっと寝たい」という気持ちにもなりやすいといわれているため、何回も繰り返し鳴るような設定はやめましょう。
朝日を浴びる習慣をつけよう
体は光を感知することで寝る準備や起きる準備を始めるのだそう。
朝は太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされるため、スッキリした目覚めにもつながりやすいのだとか。
寝室は自然に朝日が差し込むようカーテンを少し開けておきましょう。
そして、朝起きたら早いうちにカーテンを開け、朝日をしっかり浴びてください。
朝の快便に備えた夜ご飯を
朝起きたときに体が重いと感じるのは胃腸が疲れているせいかもしれません。
夕食には食物繊維を多く含んでいる野菜や肉・魚・豆類などのたんぱく質を中心にバランスよく摂りましょう。
食べ過ぎも良くありませんが、食事の量が少なすぎることも朝の快便を妨げてしまいますので注意しましょうね。
スムーズな朝のお通じは快適な目覚めを導いてくれますよ。
まとめ
朝起きられない人や目覚めが悪いと感じている人は、睡眠リズムの不安定さや睡眠の質を下げる行動習慣を見直す必要がありそうですね。
体内時計を安定させ目覚めを良くするためにも、普段行っている夜の過ごし方をもう一度見直し、一日を快適に過ごせるような睡眠習慣の見直しにつなげましょう。
この記事は、ライターが収集した情報に基づいて作成されています。効果には個人差がございますので、ご自身の責任でご利用・ご参考ください。
加恵美容家
10年のアパレル勤務を経て美容ライターに。年齢や体の変化と上手に付き合えるヘルシーな美容法を発信していきます。コスメを手作りすること、香りコスメを集めることが大好き。日常に取り入れやすいシンプルケアにトレンドを取り入れながら日々、美を追求し続けています。Recommend
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