
もくじ
うるおい成分セラミドとは?
肌をうるおすには「セラミド」が良いと聞いたことはあるけれど、どんなメカニズムで肌をうるおすのか詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか?
キメが整ってうるおいのある美しい肌のためにセラミドはとても大切な成分です。
ここでは保湿成分としてのセラミドについて、肌のうるおいに対する働きをご紹介します。
セラミドの構造
肌(角質層)の構造は、よく「レンガとセメント」に例えられ、角質細胞(レンガ)と角質細胞のすき間を細胞間脂質(セメント)が満たしています。
セラミドは、その細胞間脂質の主な成分のひとつで、スフィンゴ脂質と呼ばれるスフィンゴシンと脂肪酸の結合した物質です。
そもそもは肌の中で作られており、表皮の中の「顆粒層」という部分でセラミド合成酵素の働きにより合成されています。
結合パターンのバリエーションが多く、「セラミド」とひと言でいっても、ヒトの肌には12タイプのセラミドがあるといわれています。
肌のほか脳、動物、植物などにも存在しています。
セラミドの働き
角質層の「レンガとセメント」の構造は、肌が肌自身を守る力である「角質バリア機能」に大きな役割を果たしています。
細胞間脂質は肌の水分が蒸発するのを防ぎ、角質細胞が必要以上にはがれてしまわないように、しっかりと結びつけているのです。
理想的な角質バリア機能のためには、細胞間脂質のセラミド・脂肪酸・コレステロールのバランスが重要です。
この比率が崩れてしまうと肌のバリア機能が低下し、肌の水分が蒸発しやすくなります。
その結果カサカサと乾燥を感じるようになり、ツヤやうるおいがなくなります。
ちなみに、細胞間脂質の中でセラミドの割合は約50%といわれており、肌のうるおいを保つのにセラミドがいかに重要な役割を果たしているかが分かります。
セラミドを補うには
セラミドが不足すると、肌のバリア機能が低下して乾燥などの肌トラブルになる場合があります。
そこで、セラミドを補う方法を2つご紹介します。
スキンケア
セラミド不足で乾燥した肌は、セラミド配合化粧品を使用したスキンケアで外から補いましょう。
肌がうるおいを取り戻しバリア機能も高まります。
「セラミド配合」の化粧品は良く見かけますが、配合されているセラミドの種類がいくつかあるので違う場合があります。
●ヒト型セラミド
微生物などを利用してつくられたセラミド。ヒトが持つセラミドの構造に似ています。
セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド6Ⅱが代表的なものです。
●天然セラミド
馬やミルクなどの動物性原料から抽出され、ヒトのセラミドに似た構造を持ちます。
化粧品の成分表ではビオセラミド、セレブロシドなどの名前で表示されます。
●植物性セラミド
植物由来のセラミド。コメ、コンニャク、ユズの果実などから抽出され、ヒトの体内のセラミドとは一部構造が異なります。
米ヌカスフィンゴ糖脂質、ユズ果実エキスなどの名前で表示されます。
●合成セラミド
ヒト型セラミドの構造に似せて化学的に合成したセラミド。
疑似セラミドとも呼ばれます。
セチルPGヒドロキシエチルパルミタミドなどの名前で表示されます。
コスメ選びの参考にするなら、ヒトの肌に浸透しやすく保湿力の高いヒト型セラミドがおすすめです。
インナーケア
セラミドは化粧品に配合されているイメージが強いですが、食事やサプリメントからも摂取できます。
食品に含まれるグルコシルセラミドは、毎日摂取することで、うるおいを逃しにくい肌にすることが期待できます。
セラミドが多く含まれている食材はこんにゃく、とうもろこし、甘酒、味噌、麹などです。
ぜひ普段の食事にプラスしてみましょう。
食事よりも一度に多くのグルコシルセラミドを摂取できるサプリメントもおすすめです。食品と比べて濃度も高いので、効率的です。
タブレットやドリンクタイプもあるので試してみてください。
スキンケアと比べてすぐには実感できない可能性があるので、毎日飲み続けることがポイントです。
セラミド以外のうるおい成分
セラミド以外にも、保湿力の高いうるおい成分をいくつかご紹介します。
ヒアルロン酸
肌の真皮に存在し、肌のハリと弾力に関わるコラーゲンとエラスチンがつくる網目構造のすき間を満たす成分です。
保水力が非常に高く、ヒアルロン酸1gに対して約6Lもの水分を保持できるといわれています。
肌を乾燥から守ってキメを整える働きが期待できるため、保湿化粧品に多く使われています。
コラーゲン
生物の様々な組織を構成するタンパク質の一種で、肌では基底膜や真皮に存在する成分です。
肌にハリや弾力、うるおいを与えることから、多くの化粧品に使われており、サプリメントとしても度々目にします。
化粧品として使われる場合、肌の表面で保護膜を作るので紫外線などの刺激から肌を守る働きも期待できます。
アミノ酸
アミノ酸は人間の体を構成する重要な成分のひとつですが、肌の角質層にあるアミノ酸は、天然保湿因子(NMF)の主成分です。
天然保湿因子にはアミノ酸、有機酸、ミネラル、尿素などがあり、角質細胞の中に存在しています。
肌の乾燥を防ぎ、柔らかく保つことができるので、保湿成分としてスキンケア製品に使われています。
このように肌の保湿力を高める成分はセラミド以外にもたくさんあります。セラミドと同時に取り入れることで、さらに理想的な肌に近づけるでしょう!
まとめ
セラミドは、保湿成分としてスキンケアに取り入れたい成分です。
誰もが理想とするような美肌の条件として、保湿は大切!
まずは肌の水分を十分に保たなければなりません。
スキンケアやインナーケアでセラミドを取り入れて、理想的な肌を目指してみてください。
この記事は、ライターが収集した情報に基づいて作成されています。効果には個人差がございますので、ご自身の責任でご利用・ご参考ください。
JUNKO美容家
フリーランスライター。化粧品・美容専門出版社に16年勤務。エステティック、アロマテラピー、化粧品など美容・健康関連分野の書籍編集に携わる。独立後は数々の美容・健康サイトや業界専門誌などでライターとして活動中。特にエステティックが得意カテゴリー。Recommend
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