
ダメージのない、艶やかでコシのある美しい髪は、毎日のヘアケアが大事です。
しかし、どんなにケアをがんばっても、季節ならではの気温と湿度の影響を受けやすいのが髪の毛です。特に夏は気温が35℃近くになる日も多く、汗や皮脂の分泌が不安定になり、さらに紫外線によるダメージが目立ちます。
髪を育む頭皮の状態から見直し、手軽なヘアケアで艶やかな髪を目指しましょう。
もくじ
美髪の基本「頭皮」と「毛髪」について
夏のヘアケアのお話をする前に、まず美しい髪とは、ツヤ、こし、ハリがある、この条件が揃っていることです。
そんな美しい髪を決める重要なポイントは、「頭皮」が健やかであること。例えるなら、頭皮は土壌が豊かな畑、髪は野菜で、健やかな頭皮が美しい髪を育みます。
頭皮にトラブルがあれば、髪の毛にも影響が出るというもので、切っても切り離せない関係にあります。
しかし、ケアはそれぞれ行うことが美しい髪の重要なポイントになります。
夏の髪はヘアケアが必須!代表的な要因は紫外線!
顔の皮膚と同様、頭皮も表皮、真皮、皮下組織の構造を持っています。
さらに毛髪の生成や生まれ変わりという働きがあり、ターンオーバーを繰り返しながら健やかな状態を維持しています。
夏になると気温の上昇に伴って、皮脂と汗が頭皮からたくさん分泌されると、頭皮の状態が不安定になります。するとターンオーバーの周期が乱れ、まずます頭皮は不調を招きトラブルが起こりやすくなるのです。
髪を育む土壌となる頭皮が不調だと、健やかな髪は生えにくくなります。さらに外的な要因が髪のダメージを進ませることになります。
その代表的な要因が「紫外線」です。詳しく見ていきましょう。
日常の紫外線が髪を傷める
全身の中でも頭頂部は紫外線の影響を受けやすく、ダメージが目立ちやすくなります。
日傘や帽子でUVガードすることを怠ると、髪の毛の傷みが進み、ツヤ、コシが感じられなくなってしまいます。晴天の日だけでなく、曇りでも紫外線は降り注いでいます。
ちょっと買い物に、洗濯物を干す、というようなわずかな時間でも、夏の紫外線は強度が強いので、紫外線から頭部を守ることは重要です。次に、紫外線と髪のダメージについて紹介します。
髪が茶色く退色
強い紫外線を長時間浴びると、髪も日焼けをします。
私たちが持って生まれた髪(地毛)の色は、メラニン色素の種類と量によって決まると言われています。紫外線はメラニン色素を分解し、髪の色が褪せて茶色くなります。
さらに乾燥してキューティクルが剥がれ落ちるとツヤを失い、パサつきが目立つ、という美しい髪の大敵となるわけです。
頭皮が乾燥する
紫外線が頭皮に当たると、その強度や時間にもよりますが、顔同様、日焼けします。
ヒリヒリと痛みを感じたり、赤みが出ている場合は、皮膚科などの専門医に診てもらうようにしましょう。わずかな時間でも夏の強い紫外線が髪や頭皮に当たると、熱をもつことがあります。
冷やすことは一時的な対処法になりますが、炎症を起している場合は自己判断をせず、早めの処置を受けることが、健やかな頭皮と髪にとって大事なことです。
常に紫外線対策を
紫外線は5月から8月にかけて強度と量を増して地上に降り注ぎ、時間帯は午前10時から午後2時ぐらいまでをピークに降り注いでいます。晴天の日を100%とすると、曇りの日でも約60%の影響を受けることになります。日が昇っていない時以外はUVガードをすることが美髪対策につながります。
女性の必需品ともいうべき日傘は、白か黒かで迷うことがあるかもしれません。
ちなみに光は、白は反射、黒は吸収という性質があり、紫外線もその条件に当てはまるそうです。であれば、外側は白、内側は黒の日傘が理想的ということになります。
帽子もつばが長く顔を覆い隠すもの、通気性の良いものなどに注目しながら選ぶようにしましょう。
レジャー紫外線がダメージを深刻化
海水浴やスキー、ゴルフなどのアウトドアやレジャーは、紫外線を直接肌に浴びることがあり、日焼けしやすい傾向があります。特に水面や雪、芝生は照り返しによる紫外線の影響を受けやすくなるため、外出する際はしっかりUVガードすることが重要です。
海やプールでは髪の扱いに注意
髪の毛はケラチンという、硫黄を含んだたんぱく質で出来ており、それを構成している主成分の1つにシスチンがあります。この成分が充実して整っている髪は強度があり、
抜け毛や薄毛になりにくくなります。しかし、シスチン結合が壊されると髪の弾力が失われ、もろく切れやすくなります。
特に濡れた髪の状態で、強い紫外線を長時間浴びると、シスチン結合が破壊されることがあるので要注意です。海やプールで髪が濡れてしまったら、そのまま放置せず、髪を紫外線に当てないように徹底しましょう。
また、海は塩水、プールは感染症予防などのために塩素が含まれていることがあるので、いずれにしても髪によい環境とは言えません。何はともあれ、乾いたタオルで頭皮と髪の水気をしっかり取り、早めに洗髪、トリートメントで保護することが大事です。
高温多湿による髪のダメージ
夏は高温多湿で、頭皮の皮脂分泌や発汗作用が活発になります。
それによって頭皮の状態も不安定になることが多くなり、トラブルに見舞われやすくなります。次を参考に注意してみましょう。
夏は頭皮の状態が不安定に
頭皮に髪がたくさん存在している、ということは毛穴もそれだけ多く、さらに毛穴の付近には汗腺があります。汗が出るのは、体温を一定以上に上げないための作用です。
夏のように気温が高くなると、血管が拡張して放熱を増やし、頭皮も発汗作用で体を守る働きも活発になります。皮脂も汗も過剰分泌が起これば、頭皮の状態も不安定になるのです。では、不安定な状態による症状についてご紹介します。
頭皮のかゆみが生じやすい
頭皮の不安定な状態により、かゆみが生じることがあります。
これは、皮脂に含まれるトリグリセライドという成分が、頭皮に存在する微生物によって遊離脂肪酸に分解され、それが刺激となってかゆみとなります。それが皮脂分泌が活発な夏の時期に、かゆみに悩まれやすくなるその理由の1つです。
老廃物として残りやすい
頭も顔も、皮膚は汗腺から汗を、皮脂腺から皮脂を分泌しています。そして、この両方が交じり合って皮脂膜となり、皮膚の潤いを保っています。
また、皮膚には排泄作用という役割があり、不要な皮脂や汗は老廃物として促されていきます。
しかし、毛穴が詰まって皮脂や汗がいつまでも残っていると、やゆみやフケなどのトラブルを起こすことがあるのです。
健やかな頭皮を維持するためのポイント
夏に頭皮のトラブルが起こりやすいなら、この時期のケアをしっかり行うことで、この先、美しい髪を維持することにつながるはずです。そのとっておきな方法は、手軽に出来る毎日の洗髪と保護です。
もちろん、食事や睡眠、ストレスを溜めないなど、生活面での見直しは大事です。それと同時に毎日のお手入れが出来てこそ、相乗効果となって美しい髪へと導かれていきます。
次に、今日から出来る簡単なお手入れ方法をご紹介していますので、ぜひ実践してみて下さい。ちなみに、夏に限らず体質や体調で頭皮の皮脂が気になる場合も、次のお手入れを役立てみて下さいね。
- 洗い上がりがさっぱりするタイプのシャンプーを使う。
- 頭皮は揉み出すように、髪は擦らないように洗い清潔に保つ。
- 入浴後は、頭皮、髪それぞれタオルで水分を取る。
- 殺菌作用のあるヘアトニック(さっぱりタイプ)で頭皮を軽くマッサージする。
シャンプーやヘアトニックなど、今使っているものを見直して、夏だけでもさっぱりタイプに切り替えることも、頭皮を健やかに保つ秘訣になるでしょう。
まとめ
夏の時期、頭皮と髪は気候や環境の影響を受けやすく、それがダメージにつながることが多いのが現状です。
今回ご紹介させていただいた、ちょっとした知識と実用を上手に取り入れて、夏でもツヤ、コシのある美しい髪を維持してくださいね。
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この記事は、ライターが収集した情報に基づいて作成されています。効果には個人差がございますので、ご自身の責任でご利用・ご参考ください。
川本 あきこ美容家
放送作家・美容ライター。ロンドンの美容専門学校にてスキンケアアドバイザー、メイクの資格を取得。雑誌、書籍の編集、執筆の傍ら美容専門家としてライター、講師を務める。Recommend
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